帝王切開中に卵巣のう腫が見つかり切除!お産と病気発見の奇跡に感謝
私は35歳で妊娠・出産を経験しましたが、思い描いていた出産とは違ったものとなりました。それは妊娠中に息子の逆子が治らず、帝王切開になったことです。
目次
妊娠6ヶ月で逆子!7ヶ月で逆子体操・8ヶ月で逆子灸、治らず帝王切開
私が逆子を指摘されたのは、6ヶ月の時でした。この時期の逆子は、9割が自然に治ると聞いていました。
でも私の場合は逆子は治らず、7ヶ月からは逆子体操、8ヶ月からは逆子灸に通い始めました。
逆子体操をしても逆子灸に通っても、逆子が治る気配は全くありませんでした。へその緒が巻きついているわけでもなく、まだ子宮内で回るスペースも充分あるのに戻らなかったのです。
9ヶ月に入り、里帰り先の総合病院で、予定帝王切開の予約を1月2日に入れられてしまいました。
私は祝日に帝王切開の予約を入れられたことに、納得が出来ませんでした。加算料金がかかるし、新しい年の瀬で忙しい時期に出産するなんてと、気分は落ち込む一方でした。
それに帝王切開も怖かったです。周囲から「帝王切開だし、寝ていればいいのだから楽でしょう」なんて言われました。
私にとってはお腹を切られるなんて、毎日不安で仕方がない臨月でした。
入浴中に尿もれ?破水?慌てて病院へ連絡してタクシーに乗り込む
12月18日の夕方、少し早い入院準備を済ませて「よし、できた!」と言った母の台詞を、子どもは聞いていたのでしょうか?
5時にお風呂に入り体を洗っていると、股から何か水のようなものが少し流れました。私は「尿漏れかな?」と思い、特に気にはしませんでした。
その後、脱衣場で体を拭いていると今度は股から、大量の水が流れました。私は思わず「破水だー!」と叫んでしまいました。
母が駆けつけてくれましたが、私が破水したことで母はオロオロするばかりでした。仕方がないので股に大量のバスタオルを挟み、病院に電話しました。
病院からは「すぐに来てください。緊急帝王切開です」と言われました。
病院に行くためタクシーを呼び、荷物を積みました。来てくれたタクシーの運転手さんに「破水した。赤ちゃんも危ない」とすぐに伝えました。
驚いた運転手さんは、制限速度ギリギリで車を走らせてくれました。お陰でその時は、普段の3分の1の時間で病院に着きました。
運転手さんは余程その場から早く立ち去りたかったのでしょうか、トランクに入院セットを積んだまま立ち去ろうとしました。
私は股にタオルを挟んだまま、タクシーを追いかける羽目に。「なんで私がこんな目に」と涙が出そうでした。
総合病院についたものの、里帰り出産のため2、3回しか来たことがない病院で、産科の場所が分かりませんでした。一緒に来ていた母はまたもやオロオロするばかりです。
後に病院スタッフではなく、ただの見舞い客であったことが判明するのですが、私は通りがかった知らない男性を捕まえ「車椅子を持ってきて、産科に連れて行って!」と命令して連れて行ってもらいました。
帝王切開で2500グラムの男の子誕生、手術中に卵巣のう腫が見つかり切除
産科につくと先生方が待っていてくれました。
私は泣きながらベットに横たわり、先生から手術の説明を受けて書類にサインしながら、下半身は丸裸で剃毛されているという恥ずかしい状況を経験しました。
母は混乱していたせいか恐怖のせいなのか、「私、もう帰っていいかしら」などと言っていました。でも、結局は病院に泊まってくれました。
母は手術中の私に代わって、忘年会中の夫に電話をしてくれていました。「今夜産まれます」といきなり聞いた夫は、突然の手術の連絡に混乱していたそうです。
帝王切開は順調でスピーディーに進みましたが、半身麻酔だったため先生方が何をしているのかが分かり、私は怖くて生きた心地がしませんでした。
私が怯えている間に、あっという間に赤ちゃんが出てきました。元気な2500グラムの男の子でした。私が最初に息子にかけた言葉は「何で逆さまだったの~?」でした。
術後の恐怖のリハビリも進み、息子の世話にも慣れ退院が近づいたある日、主治医から驚きの事実を告げられました。
「実は帝王切開の手術中に卵巣のう腫を見つけたので、ついでに切除しておきました」ということ。
そして「胎内で子どもが回転していたら、のう腫を蹴って爆発していたかもしれない」とも言われました。
帝王切開にならなければ、おそらく見つからなかった卵巣のう腫。もしも息子が回転していたら、危なかったかもしれません。
息子がそのことを知っていたとは到底思えませんが、何かしら運命を感じてしまいました。
年末に退院し親子3人でお正月を過ごす!息子と出会えた奇跡に感謝
術後の経過も順調で、私は年末に退院することができました。ギリギリで年末年始の加算料金はかからず、お正月は親子で過ごすことができました。
予定日よりも3週間近く早く産まれてきた息子ですが、早産扱いにはならず、普通に退院することができました。
当然ですが、息子は逆子だったことは覚えていません。入院準備が整った日にちょうど生まれたことも、年末にかからないように生まれてきたことも知るわけありません。
息子が3歳になったある日、「どうしてママのところに生まれてきたの?」と尋ねてみると、「可哀想だったから。でも僕がいるから、もう可哀想じゃないよ」と生意気なことを言ってくれました。
私は妊娠出産の経験をして、妊娠出産ほど思い通りにならないことは無いと痛感しました。
そして妊娠出産は奇跡的なことで、人知や人の力の及ばない何かの力が働いてることをしみじみと感じました。
帝王切開から3年が立ち、息子は3歳になり毎日たくさん遊んで元気に過ごしています。
息子と出会えた奇跡に感謝しつつ、毎日を大切に私も息子と一緒に成長していきたいと思っています。
妊娠・出産についてのメッセージと費用について
妊娠・出産を控えている方へのメッセージ
妊娠出産ほど予想が付かないことはないと、自分の出産経験を経て痛感しました。思い通りにならないことがほとんどです。
なので、諦めの境地で人生という波に身を委ねて行けば、よい出産が出来るのではないかと思いました。ありきたりですがリラックスが大事です。
妊娠・出産を経験して、また子供を産みたいという気持ちになりましたか?
もう生みたくないです
ユキチャンさん(40歳 小平市在住 配偶者39歳 子ども3歳)の「妊娠・出産」体験談